FIREとは?
近年、自由な生き方として「FIRE」が注目されるようになりました。
FIREとは「Financial Independence, Retire Early」の頭文字を取った言葉で、
Financial Independence = 経済的自立
Retire Early = 早期リタイア
という意味です。
お金の不自由なく、自由な時間を謳歌するというのは、毎日必死で働くサラリーマンにとって、いつの時代も憧れるものです。
このFIREを達成するための必要な資産の根拠として「トリニティスタディ」という研究がよく引用されるので紹介します。
トリニティスタディとは、
年間支出の25倍の資産があれば、その資産をS&P500などに連動するインデックスで運用しながら毎年4%ずつ取り崩しても資産を目減りさせることなく維持することができる
という研究結果です。
例えば、毎年360万円(月30万円)の支出がある場合、25倍の9000万円を貯めて、それをS&P500に連動するインデックスに投資をすれば、毎年4%(360万円)を取り崩しても、運用益によって資産が目減りしないというのです。
今FIREを目指している人は、この状態を目指しているというわけですね。
しかし、このトリニティスタディには大きな二つの落とし穴が存在します。
年間支出の25倍の資産を貯めるまでに時間がかかりすぎる
まずひとつめの落とし穴として、あまりに時間がかかりすぎるということです。
年間支出の25倍の資産に到達するまでに、例えば可処分所得で支出の2倍を稼いだとしても25年間かかる計算になります。
これを解決するための苦肉の策として、可能な限り支出を削って達成しようとしている人もいるようで、それを否定するわけではないですが、Retire は目指しているものの、Early と Financial Independence にはほど遠い印象です。
株式市場への投資を前提としているのでリターンがマイナスの年もある
2020年に新型コロナが世界中に蔓延しました。
これによりほとんどの経済活動が停止に追い込まれたため、この経済危機から一刻も早く回復ために、FRBをはじめ各国の中央銀行は一気に政策金利を引き下げて緊急緩和で対応をしました。
この金融政策とワクチンの普及が功を奏し、2021年に米国株は過去最高値を更新しました。
このタイミングで実際にFIREをした人も多いかと思います。
しかし、2022年、経済の急激な回復やロシアウクライナの戦争開始などによって、一気にインフレが加速します。
世界的なインフレと米国の賃金の上昇が止まらないため、FRBは政策金利を段階的に引き上げることを決定し、これにより米国の株式市場は半ば暴落と言っていいほどの下落に見舞われました。
これにより2021年末にFIREした人の多くが1年後には会社員に戻るという「FIRE卒業」をしています。
二つ目の落とし穴は、毎年4%の資産を取り崩すと決心しても、目の前で株式市場が下落しているのを目の当たりにすると平穏ではいられないということです。
株式市場の浮き沈みに左右されているようでは本当の意味でのFIREとは言えません。
FIREを達成するために必要な思考法
トリニティスタディの研究結果はもちろん正しいと思いますが、支出25倍の資産を早く貯めることがまずハードルが高いということと、やはり人間なので、どんな局面でも機械的に資産を取り崩していくことができるほど強いメンタルでいられるとは限らない、ということがFIREを難しくしているのです。
では、最短最速でFIREを達成するにはどのように考えたらいいのでしょうか?
それは、
- レバレッジを活用して総資産を膨らませる
- 資産から生み出されるキャッシュフローの絶対額を重視する
ということです。
つまり、バランスシート(=総資産)を大きくすることがFIREの王道だということです。
日本人はみんなひたすら節約を頑張って、少しずつ収入を上げていくしかないと思い込みすぎています。
それ自体は悪いことではなく、非常に重要で基礎的なことではあるのですが、あまりに年収ばかりを過剰に気にしすぎていて、バランスシートに意識が向いていないのでいつまで経ってもFIREが遠く感じてしまうわけです。
FIREを目指すには、単に毎月の収支だけではなく、バランスシートを取り入れた目線で現在地や目標を考えることが必須なんです。
バランスシートを最速で拡大させてFIREする方法
バランスシートを最速で拡大させるための最強のツールが不動産投資です。
不動産は担保価値があるため、銀行が不動産取得費用の大部分を融資してくれます。
普通の事業ではありえない条件でレバレッジがかけられるわけです。
富裕層はほぼ全員といっていいほど不動産を持っており、資産形成や資産保全、税金対策に活用しています。
しかし、不動産投資が必須とはいうものの、どんな物件を買ったらいいかわかりづらく、初心者にはハードルが高いということもわかります。
不動産投資というと新築ワンルームマンションへの投資がよく世間を騒がせていますが、ワンルーム投資はキャッシュフローがでないので、資産形成期にはまったく適していません。
不動産投資の王道はやはり一棟物件です。
一棟で複数住戸を所有できるため、分散効果もあり、土地の評価があるので担保価値も高くとれます。
不動産投資では、銀行から借り入れをして一棟物件を取得することで総資産を大きくし、そこから得られるキャッシュフローをさらなる投資にまわして複利で運用していくことで雪だるま式に資産を増やしていくことができます。
これを繰り返して所有不動産の規模が拡大してくれば4%ルールなんて意識しなくてもFIREが現実になるんです。